【10月25日】社会物質性研究会(オンライン)のご案内


近年の状況論における新展開の1つとして,社会物質性研究があります。これは,2000年代前半の活動理論や,アクターネットワーク理論を状況論に取り入れた上野直樹先生らの関心を引き継ぐ議論であり,私たちの学習と発達の状況性に迫るために心理学,教育学,工学,社会学,哲学,人類学など幅広い分野の議論を取り入れながら,存在論的転回を試みるものです。本研究会では,これまでこの社会物質性研究に関する理論的,経験的研究論文・書籍(Fenwick
& Edwards(2010) 『Actor-Network Theory in
Education』,『Subjectivity』誌の特集号「Materiality」等)に注目し,議論を進めてきました。


今回の研究会では,Kontopodis(2012)『Neoliberalism, Pedagogy and
HumanDevelopmet』を取り上げて,オンラインで議論を行います。
現在の私たちは,消費への欲動が私たちの生活の全ての側面に浸透した(新自由主義と呼ばれる)危機的な状況に生きているとされます。この危機の中で,どのように子どもたちや若者たちは成長していくのか?どのように教育は子どもや若者がより成長可能で新しい形で生きることを支援できるのか?どのように違った未来を想像できるのか?といった問いが,ますます重要なものとなっています。本書において著者は,ドイツ,アメリカ,ブラジルの中等学校において周縁化された学生と彼らの生存のための日常的な奮闘に注目した研究を行う中で,新自由主義的教育に対して一貫して批判的な立場を取り,それに代わる別の教育の在り方を探求しています。今回の研究会では,Kontopodisの議論を参照しながら,消費と成功への欲�‹�が全é��化した私たちを取り巻くアレンジメントにあらためて目を向けるとともに,そのオルタナティブの可能性についても考えていきたいと思います。


なお,著者のMichalis Kontopodisは,本研究会において以前に議論した『European Journal of Psychology of Education』の特集号「Educational settings as interwoven socio-material orderings」のエディタでもあります。
読書会の詳細は下記のとおりです。
読書会への参加を希望なさる方は,広瀬拓海(hirose.takumi924@gmail.com)までお知らせください。


【日程】
10月25日(日)13時から~16時30分(予定)
【プログラム】
13時00分~13時10分  開始
13時10分~14時10分 2章の検討(報告者:横山 愛)
    休憩
14時20分~15時20分 3章の検討(報告者:広瀬拓海)
    休憩
15時30分~16時30分 4章の検討(報告者:仲嶺 真)
※ 発表30分,議論30分(時間は目安)

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